弁護士によるマンション管理組合、マンション・アパート紛争Q&A

Q3.漏水した配水管の修理費は請求することができる?

私はマンションの一室を所有してますが、私の部屋の床下排水管に経年劣化による亀裂が入ってしまい、それが原因で下の階の部屋に漏水が生じてしまいました。そのため、やむなくこの床下排水管を修理しました。この場合、私は修理費を請求することはできますか?裁判で修理費を請求する場合、誰を被告として訴えれば良いのでしょうか?

A3.回答

マンションには専有部分と共用部分があります。専有部分とは、マンションの一室を所有する区分所有者が専有している部分であり、自分だけで自由に使える反面、その管理も自身の責任で行わなければなりません。これに対し、共用部分とは、マンションの各部屋の所有者が皆で一緒に持っている部分のことです。玄関、屋上やエレベーターホールなどは共用部分の典型例です。共用部分の管理は、マンションの区分所有者全員で構成する団体であるマンション管理組合の責任で行います。したがって、修理費を他者に請求するには、床下排水管が専有部分でなく共用部分にあたらなければなりません。専有部分にあたれば、自分の責任で修理しろということになってしまいます。   

床下排水管がどちらにあたるかについては裁判例があります。裁判例では、天井、床、壁は(躯体部分を除き)専有部分であるとするマンションの管理規約を用いながら、床下排水管は床ではなく床下にあるものであり、下の階の天井でもなく天井の上にあるものであるため、専有部分にはあたらない=共有部分である(マンションには専有部分と共用部分しかないため、専有部分でない=共用部分となります)と判断しました。したがって、修理代を請求することができます。   
では、裁判で請求する場合、誰を被告とするのでしょうか?マンション管理には多くの登場人物が出てくるので迷われると思います。   

上記のとおり、共用部分の管理については管理組合が責任を負っているので、本事例では管理組合が被告になります。上記の裁判例でも管理組合が被告となっています。本事例における管理組合が法人格を有する管理組合法人の場合はもちろん、法人格がない管理組合の場合でも、理事長という代表者がいるので民事訴訟法の規定により管理組合自身が被告となることができます。   
理事長は管理組合の代表ではあるものの、理事長自身が被告になるわけではありません(注:規約による修正があり訴訟担当となる場合は別です)。理事会も、管理組合の中の一つの機関にすぎないので被告にはなりません。マンション管理会社は、管理組合との契約上修繕責任を負う場合がありますが、原則として本事例の質問者のような一区分所有者に対してではなく、管理組合に対して契約責任を負っているので、本事例では被告とはなりません。下の階の区分所有者や、その者から部屋を借りている賃借人は、彼らが床下排水管の亀裂の原因を作った場合でなければ原則として責任を負わないため、被告とはなりません。   

以上のとおり、本事例では管理組合が被告となりますが、あくまで本事例での話であり、その事例により、または請求内容により誰が被告になるかは変わってきます。マンション紛争の事例では、請求の相手方の選定を誤るケースが多く見受けられますので、くれぐれもこのQ&Aだけを鵜呑みせず、紛争が起こった場合には当事務所をはじめとする専門家にご相談いただきますようお願いいたします。

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