総合FAQ

シティ総合法律事務所のお悩み別FAQ

ご相談内容

解雇された従業員は、すぐに失業保険を受給することが出来るのでしょうか。


弁護士からの回答

従業員が退職した場合、会社は、退職に伴う諸手続を行う必要があり、手続が遅くなると、従業員が速やかに失業保険を受給することが出来なくなってしまいます。
会社破産の場合には、社会保険労務士への報酬が支払えず、退職手続きが滞ってしまい、管財人がその手続を進めることが良くあります。従業員のことを考え、弁護士と会社破産申立ての段取りを十分に確認して交通整理し、退職に伴う諸手続を早期に進めていくことをお勧めします。
このような、会社破産に係る従業員の退職手続を含めたご相談にもご対応いたします。

ご相談内容

私は,会社の経営者です。会社の経理は,弊社の創業以来、Aに任せていました。 ここ最近、業績が悪化して経営改善を迫られていたので,取締役全員で近年の帳簿を見直すことにしました。 すると,数年にわたって約2000万円の使途不明金が計上され,Aが私的流用している疑いが濃厚となりました。 合計2000万円にもなります。会社として、どのような対応をしたらよろしいでしょうか? 


弁護士からの回答

お尋ねの会社のお金の使い込みは、業務横領罪という犯罪に該当します。
ただ、この段階で警察に相談しても、「まず、会社で、相手が横領したのだと判断できる資料を揃えてください」と言われて対応してもらえないのが通常です。
そのため、弁護士に依頼するなどして、まずは伝票、請求書、領収書、預金通帳、金銭出納帳・総勘定元帳等の経理帳簿など、使途不明金の内容を説明できる証拠資料を整理して本人に説明を求め、もし使い見込みの事実を認める場合には、その状況を録音するか、自認する文書を作成して証拠化しておくことが大切です。
経理上必要なデータをパソコンで管理している場合には、そのデータを消去されたり持ち出したりされないよう、きちんと保存しておくことも重要です。
その上で、警察にこれらの資料を提出して告訴の手続を採ると、通常は、逮捕されて起訴され、刑事裁判が行われることになります。
刑事手続のみならず、解雇処分等の懲戒処分も合わせて行われることになると思いますが、十分な調査を経て確実な証拠を確保してから処分を実施しないと、証拠のない不当解雇であるなどとして、逆に損害賠償請求されるケースも出てきていますので、弁護士に適切な判断を仰ぐことが大切です。
逮捕された場合、被害額が100万円以上となるケースでは、通常は、被害弁償がなされない限りは刑務所行きとなる可能性が高く、弁償する資力がある場合には、裁判前に被害弁償と示談の申し入れがなされる可能性があります。被害額が1000万円以上となる場合には、全額の被害弁償がなされたとしても、刑務所行きとなる可能性があります。
被害弁償の申し入れがなされない場合には、民事訴訟を通じて、損害賠償請求することを検討する必要があります。

ご相談内容

ご指摘いただいた証拠資料を揃えて警察に行き、告訴したいとお願いしているのですが、これでは証拠が足りないと言われるばかりで、何度追加書類を提出してもその繰り返しで、いつまでも告訴を受理してもらえません。 検察庁に告訴することもできると聞いたこともあるのですが、そうした方が良いのでしょうか?


弁護士からの回答

確かに、特別刑事部という、背任罪や業務上横領罪等の経済犯罪を独自に捜査する部署のある検察庁では、直接告訴を受けてくれる場合もありますが、警察に比べて人員が極めて少なく、対応できる数が極めて限られてくることから、よほど多額の被害額となる事案や、マスコミを賑わせて社会の注目を集めている事案以外は、なかなか告訴を受理してもらえないことが多いので、通常は、警察(所轄か警察本部の捜査第二課)へ告訴した方が良いでしょう。
場合によっては、弁護士に依頼の上、検察庁特別刑事部の検察官から、きちんと告訴を受理して対応するよう警察に根回ししてもらうことも有益です。
業務上横領等の経済事犯の場合、警察がなかなか告訴を受理してくれない場合が多く、我々弁護士も頭を悩ませているところです。
告訴を受理してくれない理由は、確かに証拠が不十分な場合もありますが、業務上横領での警察への相談件数が大変に多く、よほど手堅い証拠が揃い、簡便に捜査が可能なケースのみを選別して受理しているという実情にあることが主たる理由であると思われます。
そのため、いくら声高に告訴を受けてもらえるよう強弁しても、法律上、告訴は受理しなければならないことになっているため、最終的には告訴を受けることにはなりますが、証拠が不十分で起訴できる案件ではないとの趣旨の意見を付して検察庁に送られて、十分な捜査がなされないまま、不起訴処分で捜査が終了してしまうことも少なくありません。
なかなか告訴を受理してもらえない場合には、民事訴訟で対応した方が、立証のハードルも刑事手続ほど高くはない場合が多く、早期解決につながる場合がありますので、手続の選択について、弁護士に早期に相談することをお勧めします。
警察による捜査が始まらないうちに、犯人の手持ち資産はどんどん散逸してしまいますが、仮処分等の民事手続を利用することにより、散逸を防ぐことができる場合もあります。
弁護士に相談した結果、やはり告訴を受理してもらって刑事手続として進める必要がある場合には、弁護士の方でできる証拠の整理、事実関係の調査を行って、捜査機関が作成する捜査報告書と同様のものを弁護士が先行して作成して情報を整理することによって警察の負担を軽減したり、あるいは、時には警察に対しても厳しい対応をして捜査をしてもらう必要が出てくる場合もありますので、これらの手続を弁護士に依頼することをお勧めします。

ご相談内容

退職した従業員から、「残業代を払ってほしい。払ってくれなければ、労働基準監督署に訴えてやる。」と言われましたが、仕事もろくにしなかった従業員で、払いたくありません。放置したらどうなりますか?


弁護士からの回答

放置して労働基準監督署に申告された場合には、その従業員の未払残業代だけでなく、過去の退職者も含めて、他の従業員の未払残業代を支払うよう指導されたり、その他就業規則の不備等、労務管理全般の問題点について指摘され、指導に従わない場合には刑事事件化されてしまう可能性もあります。
このような事態に直面した時の最前の対策は、傷口を広げない「早期解決」です。労働基準監督署→弁護士相談→労働審判→裁判と手続が進むにつれて、支払いを余儀なくされる金額は上がっていくのが通常です。

ご相談内容

社員が会社の金を横領してようだったので、頭に来てしまい、明日から会社に出てくるな、と言って辞めてもらったところ、1か月後に、裁判所から通知が来て、証拠もないのに横領の無実の罪を着せられて不当解雇され、うつ病になったとして、パワハラと名誉棄損を理由とする慰謝料請求と、賃金の支払請求を内容とする労働審判の申立がなされたことが分かりました。 悪いことをしたから解雇したのに、こちらが悪いかのような滅茶苦茶な話をされて、納得がいきません。どうしたら良いのでしょうか。


弁護士からの回答

働審判は、原則1~2回、最長でも3回で終了する手続で、訴えられた会社は、第1回目の審判までのわずか短期間の間に、十分な反論内容を記した答弁書を裁判所に提出しなければなりません。
ご自身で対応するのは大変ですし、危険ですので、是非弁護士に対応を委ねることをお勧めします。 従業員が不正を働いたとしても、従業員がその事実を否定した場合には、裁判所できちんとその証拠を提出して不正の事実を証明しないと、不正を前提とする解雇等の処分が無効になってしまい、場合によっては、パワハラや名誉棄損での慰謝料の支払いを余儀なくされる、とんでもない事態に至ってしまうことになります。
従業員の不正に対する対応の詳細は、こちらをご覧ください。
社員の不正等に絡む労使問題の裁判所の実情と対応のコツ【pdfダウンロード】

ご相談内容

うつ病での欠勤を繰り返している従業員に休職を命じたところ、休職期間満了日に、復職可能であるとの内容の主治医の診断書を持参して出社してきたのですが、まったく病状は改善しておらず、仕事ができていないので、会社の産業医の診断を受けるよう指示しましたが、指示に従わず、主治医が大丈夫だと言っているのだからあれこれ指図される謂れはないと反抗するばかりなので、解雇しようと思っています。 問題はありますか?


弁護士からの回答

そのまま解雇した場合には、まず間違いなく解雇は無効と判断され、不当解雇として慰謝料や賃金の請求をされることになります。
うつ病等のメンタルヘルス問題については、事前の予防策が極めて大切です。このような場合には、主治医の診断を受けるよう就業規則に予め明記しておく必要がありますし、そもそも、そのような可能性ある従業員の採用段階から十分に注意してそのような者を雇わないことに十分に注意すべきことになります。
採用により、莫大なリスクと損害を抱え込むよりは、採用にじっくりと時間と労力を費やすべきです。
御社では、どのような採用基準を設け、どのような面接を実施していますか?試用期間も十分に設けていますか?
これらを工夫することにより、かなりの確率で問題従業員の採用を防止することができたとの報告も多数受けています。
それでも、後でこのようなことがどうしても起きてしまう一定のリスクは予防できませんが、近時、不当解雇等の使用者のリスクを補てんする各種雇用賠償責任保険も出てきていますので、あらゆる面からのリスク管理が可能になってきています。

ご相談内容

遅刻が多く、仕事の内容についても出来が悪いので注意をしても、反抗的な態度が多い問題社員がおり、解雇したいと考えています。 解雇に当たって、注意すべきことはありますか?


弁護士からの回答

解雇には、欠勤の継続や能力不足等を理由に行う普通解雇と、就業規則記載の懲戒事由に該当することを理由とする懲戒解雇がありますが、いずれの場合も、そう簡単に認められるものではなく、十分に指導をしたことを証拠に残して、訓告や減給、出勤停止、降格処分等のより軽い処分を経てもなお、改善の兆しが見られないことが証拠上確認できないと、解雇はまず無効になってしまうと考えてください。
このように、より軽い手続を踏むべきとする手続の適正を裁判所はかなり重視しています。
どうしてもそのような時間的余裕がないという場合には、解雇ではなく、自主退職を促してください。
但し、辞めないと言っているのに執拗に退職を迫っても、それは自主退職ではなく不当解雇に他ならないものとみなされしまうので、注意が必要です。

ご相談内容

上司からセクハラをされたと、女性従業員から会社に相談がありました。上司もセクハラの事実を認めているので上司を解雇しようと思いますが、問題はありますか?


弁護士からの回答

懲戒解雇処分ということだと思いますが、何らの指導や処分もなく解雇した場合には、不当解雇となってしまう可能性があります。 そのような事実があった以上、適切な指導をしないと会社としても使用者責任を問われてしまいますので、毅然とした指導と何らかの処分を検討する必要はありますが、解雇の前に、より軽い処分で再発防止と女性従業員の理解を得ることができるか、慎重な検討が必要です。

ご相談内容

未払残業代の裁判を起こされ、当社は、固定残業代を払っていたので未払いはないと主張していましたが、認めてもらえず、固定残業代も基本給扱いにされて、その1.25倍の未払残業代の支払いを命じる判決が出てしまいました。 他の従業員からも同様の訴訟を起こされる前に、就業規則を整備したいと思いますが、どんな点に注意したら良いでしょうか?


弁護士からの回答

ご指摘のようなケースが相次いでおり、固定残業代の支払には注意が必要です。
固定残業代として認めてもらうためには、毎月残業時間を計算して、固定残業代を超える残業代が発生している場合にはそれをきちんと支払っておかないと、固定残業代としては認められず、基本給に組み込まれて判断されることになってしまいます。
ですので、もし固定残業代を支払うのであれば、何時間分の固定残業代であり、不足する分はきちんと精算することを就業規則にはきちんと明記しておくべきです。
また、就業規則を従業員に不利益に変更する場合には、なるべく全員の同意を取り、ただ、それが不可能な場合には、一人でも多くの従業員の了解を取り、変更後の就業規則をきちんと周知しておくことが必要です。
就業規則をせっかく変更するのであれば、これを機に、ほかに会社でどのような問題が発生する可能性があるか慎重に検討し、これらを網羅的に予防できるきちんとした就業規則を弁護士か社労士に作成してもらうことをお勧め致します。

通常、インターネットや書籍等で出回っている就業規則は、従業員に有利に作られていることが多く、そのまま使うとかえって使用者に不利になることが多いので、絶対に辞めてください。
モデル就業規則例 【pdfダウンロード】
就業規則のデータを5万 円(税別)で販売もしております。
各社の実情をきちんとヒアリングして全面改訂し、各社オリジナルの就業規則をご作成いただくことをお勧めしますが、その場合、会社の規模に応じて、20~30万円(税別)を目安とする料金を要します。

ご相談内容

当社の従業員のほとんどが有期雇用社員です。今後も新たに有期雇用社員を雇用しなければなりませんが、法改正があって、今後は安易に雇い止めをすることができなくなったように聞きました。どんな点に注意したらよいのでしょうか?


弁護士からの回答

今般の法改正よりも以前から、有期雇用写真の更新拒絶(雇止め)については、判例によって一定の制限がなされていましたが、今般の労働契約法の改正により、従来の判例法理の趣旨がそのまま明文化されました。
具体的には、
①従業員が契約更新を希望しており、
②過去に反復更新された有期労働契約で、雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められる場合か、あるいは、従業員において、有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められる場合に、
③使用者が雇止めをすることが、『客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき』には、雇止めは認められず、従前と同一の労働条件で、有期労働契約が更新されることになります(労働契約法19条)。
また、今般の法改正で、新たに無期労働契約への転換の制度が設けられました(労働契約法18条)。
これは、同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新された場合には、従業員からの申込により無期労働契約に転換するという制度です。
但し、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象となります。
無期労働契約に転換された場合には、通常の解雇権濫用法理が適用されることになります。
分かりにくい内容かもしれませんが、有期雇用社員が多数を示す会社にとっては死活問題となる重要な内容ですので、間違いのないよう、お気軽に弁護士にご相談ください。

1 2 3 12